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2016年5月10日火曜日

SATOL × Daichi Hirao "follow the crowd" 異色対談


ブリアル、コード9、ディジタル・ミスティックズらが次々にクラシックを連発した<ダブステップ元年>たる2006年からちょうど10年を経た今年、それらの初期衝動を最良の形で保存しベルリン/西日本の地下トンネルを経由して進化させるSATOLのニュー・シットがPROGRESSIVE FOrMからリリース。数年前、各メディアでフューチャー・ガラージと形容された彼のサウンドはそのカテゴライズを大きく逸脱し、ますます彼独自のものとなった。

さて、この度公開されたSATOL『follow the crowd』だが、まず曲の方に触れよう。標準的なベース・ミュージックのBPMのループを基礎グリッドに持ちつつも、いわゆるユーズであることを真っ向から拒否するような、この1曲に構成美を詰め込んだドラマツルギーに溢れている。コンテクスト(意味・文脈)を喪失した単なる「音」の切れ端となったヴォイス・カットアップは近年のダンス・ミュージックの定番だが、SATOLのそれはSNS時代の声にならぬ市井の人々の呻きのような「つぶやき」を採取し、耳を傾けるようにも見える。それらの声がドローン化するノイズで圧迫されていくサウンド・デザインは息の詰まる緊張感だ。

そして映像は、アートディレクター / デザイナーDaichi Hiraoによるディレクションで、きめの粗い質感と横スクロールの画面がゾートロープやフェナキストスコープなどの失われた映写技術を思わせる構成となっている。曲中に溢れる声やフレーズから削がれたコンテクストを再び補填しているのがこのビデオの演出だ。道路標識、均一な都市の風景、点字ブロックなどのモチーフは、リスナーの目の前をただ通り過ぎていき、それはtwitterやFacebook、あるいは数多のメディアと同じく、タイムライン上でただ流れていくだけのぼんやりとした「状況」を感じさせる。いわばこれは、我々の生きるディストピアの描写音楽だ。

以下はSATOLとDaichi Hiraoによる対談/インタビューである。2人の出会いから本作の制作過程、そして彼らとそして我々の生きる時代/社会について触れてみたい(文責・小鉄)

Q : 2人の出会いは?
SATOL(以下S) : どこやっけ?
S : 高松のILですよね
Daichi Hirao(以下D) : iLですね、そうです。

Q:2人そこで意気投合したわけですか?
D : そうですね、ノイズ喫茶iLっていうところでSatolさんのLiveがあって、 そのときは僕は普通にLive聞いて踊ってました。

Q:え、ではDaichiさんはその時はお客として見に行ったんですか?
D : そうですね。ただの客として行きました。

Q : その時になにかお二人で話しましたか?
S : しましたね、確かバンドの話しもしたし、色々ですね。
D : たしかそのときは少し話したくらいでしたね。

Q : そして、今作品Shadowsの代表作Follow~のMV Director に なった経緯は?
D : Takimotoさん(※脚注)から「satolのPV作ってみない?」って誘って頂いて。で、その後Satolさんと電話でいろいろ話させて頂いたあと別のLive会場でまたお会いして...
(脚注 : Takimoto Hideaki ...90年代を中心に渋谷DJ BAR INKSTICK、渋谷Organ Bar、青山 蜂、新宿 CLUB WIRE で数々のレギュラー パーティーを持ち、四国に拠点を移した現在は、Industrial、Techno DJとしてイベント"nicorise"を主催し、昨年からはSatolとの共演も行っている。)
S : そうそう
Q : どこで?
S : どこやっけ?
D : 福山!広島の福山じゃなかったですか?
S : あ、そっか!
D : うんうん。

Q : なぜSatolさんはDaichiさんをMV director に?

S : ヤバそうやと思った、すごい繊細な作品を作る方やと直感で思いましたね
Q : DaichiさんはSatolさんからその話を貰った時にどう思いました?
D : お願いします!!って感じですね。

Q : で、この作品ができたわけですね。色々なところで、短編映画だとかアバンギャルドな作品と言われていますが、そこはどう捉えますか?
S : そりゃ、光栄です。
D : 僕は特定の作風を作るっていう感じでは無いんですけど、好きな質感とか空気感とかがSatolさんに共感できるところがあって
Q : 作品に対して?
D : そうです。

Q : 詳しく教えてくださいますか、僕の視点からもあの作品は本当に素晴らしく、前衛を感じました。
S : ありがとうございます。どれくらいみました?
Q : ものすごく!穴開くくらいみましたよw
Q : でDaichiさん教えてください。
D : 例えば僕はやPeter TscherkasskyさんやTakashi Itoさんみたいな映像に影響をうけていたり、グラフィックでもHipgnosisに影響を受けてたりしてるんですけど。
Q : なるほど。そこからインスパイアされた?
D : グラフィックだけじゃなくて僕はノイズ、ミュージックコンクレート、エクスペリメンタルミュージックを演奏したりするので、そういった経緯もあってSatolさんのもつダークな部分、ざらついた質感、空間の鳴りにすごく共感して。それを映像に落とし込みました。

Q : MV制作は実際にどんな課程で作っていったのですか?
S : Daichiくん、あの映像はホンマにやばいわっ
D : ありがとうございます、最初は2人でとことん曲のイメージを共有するところからはじめました。実際には僕らは遠くはなれて住んでいるので、Skypeで話をしながら。時間もあまりなかったですもんね。

Q : では今作品のfollow the crowdの意味を教えてくださいますか?
S : えっと、直でいうと軽蔑的で大勢[多数派・俗衆]に従う、自分の考えを持たずに人の説に賛成する、わけもなく人の考えに合わせる、って意味です。
Q : それは何か対象になる出来事があっての作品なんでしょうか?
S : ありますね、全てとは言いませんがある街でも先輩後輩だけの関係なだけで洗脳したり押さえつけたり、音楽ではない暴力をチラつかせたりして、下手したら実は本人全くrespectしてないのに無理やりさせて、ある街では相談受けたりもしちゃいましたよ。ついていく側も従う側も辛いしうまくやっていくしかないとか。それもあってその圧力を与えた奴らに風刺でこの曲作りましたね。
Q : 凄まじい内容だったんですね、Daichiさんの方は?
D: さっきSatolさんがいってたように、follow〜の意味は自分の考えを持たずに人の説に賛成する、わけもなく人の考えに合わせる、と。で、そういう行動をさせる一番身近なものっていうと道路標識だと思って。
Q : なるほど、それであれだったんですね。
D : もちろん道路標識はルールです。従わなくちゃいけない法律なわけで、、 従うこと、従わないこと選択の連続でみんな生きている様子、そして一度選択したものは後戻りできないということを考えて作っていました、
S : やっばw

Q : この縦線の視覚感覚を狂わせるような映像は一体なんですか?
D : 縦線は、檻のイメージですね。世間全体を囲む。
Q : なぜ親は子を慰めているんでしょうか、さらにこの点線は?
D : 誘惑や欲求を満たす事が手軽にできる時代なので親が子供に物事や選択肢を教えてる感じを表現したかったんです。点字は「いってらっしゃい」「いってきます」って意味です。

Q : 一体どこへ行くんでしょうか?
D : 例えば近年、シンギュラリティについてのトピックが数多くありますけど、それと同時にIotという概念もあって。 そんな状況で、僕らがこれからどう動かないといけないか、みたいな。つまり、インターネットを使って3分で分かる答えを自分でどう解釈して選択していくのかっていうところが大切になってくるのかなと思ったりしてるので。
Q : なるほど、それでいってらっしゃい、見送るという。。
D : そうですね。

Q : そういえばあの女性がよく目立った印象です。あの方はなぜあそこまで目立ってるんでしょうか?撮影場所なども教えてください。
D : 彼女はデンマークから仕事で日本に来ていた子なんです。抽象的な道路標識のなかで、なにか1人、異国に来るという選択をしたロールモデルを表現したかったので、依頼しました。 直島というところに行って撮影しました。アートの島として有名な。
一同 : え! すごい!
S : 知らんかった。

Q:全体的にすごく寂しさを感じます。その反面、さとされたような気がします。全体としてここを伝えたいというのはあるんでしょうか?
S : ありますね、そもそもあの曲follow~は意思を持てない、持たない、持ってると思い込んでる、持てない状況そこに対しての俺から見た正直な感想です。それでfollow〜になったし、あれだけ叙情的になった。
D : そう。道は諸行無常で限りはないはずなんですけど、その時々でみちは閉ざされているようにも見える。、だけど進まなければいけない、そして選んだ限りは選び直すことができない。そんな様子を淡々と表現したかったので。
S : そしてこの作品ができたわけですわっ

Q : 一連の流れを聞きましたが、個人的に、短編小説や短編映画だと言われていますね。そのことについてどう思われますか?個人的にもそう思います。
二人 : そういう風に捉えて頂けて嬉しいです

Q : 全く異なった質問ですがお二人はいったいどちらにお住まいですか?
D : ノーコメントで
S : 俺もノーコメントでお願いします。

Q : 今後取り組んでみたいことなどがあれば教えて下さい。
D : そうですね、グラフィックやweb、映像等クライアントワークの一方で自主的な作品や空間の仕事など、幅広くしていけたらと思います。
S : そうですね、また2人で毒や薬にもなる作品作りたいと思ってます。真似事はうんざりですので。と今ちょうど更に歌い手をfeatしています。各都市でほんまにやばい侍がいてましたんで思わずナンパさせていただきました。もういくつか出来てます。こちらも近日リリースします。是非Shadowsふまえcheckよろしくです。



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